星の王子さまと古舘伊知郎

ずいぶん昔、子どもの頃に読んだ『星の王子さま』を今日もう一度読み返してみました(本そのものは別のものですけど)。他にも同時進行で読んでいる本が3冊もあるのですが(笑)、部屋の楽譜なんかを整理していたら目の前にポンと、まるで読んで下さいとでもいうように出てきたものだから、現在進行中の本たちは後回しにして、ページをめくってみました。

もうね、素晴らしいの一言に尽きます。
子供向けの本だとばかり思っていたのですが、これは大人へ向けて書かれた本ですね。というよりあの頃子供だった大人が読むべき本と言った方がいいのかも。壮大で奥深いメッセージが込められているなと感じました。それにしても何一つ直截的ではないのです。説明を用いない説明書は理解できませんが、説明的でない文章表現というのは(もちろん伝え方によりますが)、理解を飛び越えて伝わるものですね。
ああ、こんなふうに素敵な文章が書けたらいいなぁ。
いえ、文章というより感性、世界観ですね。文章から想像する印象的世界。それが読者に向けて(それぞれ本当に一人ひとりの読者に向けて)無限大のものを秘めているという感じがしました。
語らないで語る。
心の奥底にジワーっと、慰めてくれるように優しく押し寄せてくるものがありました。

そしてつい先ほど金スマのゲストとして出演していた古舘伊知郎さんが、番組最後に放った5分間の魂の喋り、これは凄かった!
語るという気合で語る。これまた対極にある世界なのに、これ以上ないという言葉の力。伝わりました。

そして不思議だったのが、語りの中身が『星の王子さま』と同じだったのです。双方に共通する言葉は一つもなかったにもかかわらず、同じことを伝えようとしているなというのが、スッと入って来ました。
伝える力というのは伝える側にかかっているのかもしれませんが、伝え方というのは星の数ほどあるのですね。読んで良かった。
今日は星を眺めて眠りにつきます(笑)。

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