夢は1000個以上持とう

一昨日でしたか、何気なくテレビを見ていたら、

やくみつる氏が、「夢は1000個ぐらい持った方がいいですよ。

どでかい夢を一つだけ持ってしまうと、それが叶うか叶わないかに

終始してしまいますからね。叶わなかった時がしんどいですよ。

それより、小さくてもいいから可能な限りたくさんの夢を持って、

これはムリだなと思うものを一つひとつ消していった方が楽しくていいですよ。

というようなことを言っていました。

それを聞いて僕は、

なーるほど、そういう風に言えばよかったんだ僕も。

うまいっ!と心の中で拍手を送りながら、

遠いあの日のことを思い出していました。

 

もう10年ほど前のことですが、ある小学校講演で僕は、児童の皆さんに、

もう本当にやくみつるさんと同じことを言いたかったのですが、

「夢は持たなくてもいいぞ!」

と言ってしまいました。

しかもその後の説明に自分なりに自信を持っていたからなのか、

その声が不自然な感じで会場に大きく響いてしまったのです。

特に具体的に「これ」と決めていなくても、自然と見えてくるから、とか、

一つにしぼるっていう決まりなんてないから、しぼるぐらいだったら、

持たないでいた方がまだいい。そのうちやりたいことはたくさん見つかるし。

だってこんなに可能性のある選択肢で溢れているんだから。

そんなようなことを伝えたかったのです。

しかし最初の言葉があまりにも強烈だったのか、あとの言葉は子どもたちには

もう響いていないような印象でした。

その言葉は、会場を引かせた上に、先生方にも誤解を与えてしまったようでした。

しまった!という思いを払拭するように、さらに説明の言葉たちが、

次から次と僕の口をついて出てきたのですが、

覆水盆に返らずという雰囲気だけが、ドスンとそこに居座り続けていました。

あの言葉は言うべきではなかったのです。

その結論だけが、どうあがいても、巨大な横断幕のように僕の前にぶら下がっていました。

 

講演終了後、後味の悪い思いを抱きながら校舎を出て駐車場に向かい、

ふと振り向くと、校舎の上にでっかく「夢を持とう!目標をもとう!」と書かれていました。

 

もし僕があのとき、やくみつる氏のような言い方をしていれば、万事うまく伝わった

のかもしれないと、氏の言葉でハッと気づかされたのです。

話したいことの根っこの部分は同じでした。

「ものは言い方」などと言いますが、

まさにその通りだと思います。

 あのときの子どもたちが、夢に向かって輝きながら

がんばっていることを願ってやみません。

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