皆さん、本当にご心配をおかけしました。僕は昨日福岡に移動して来ました。
ライフラインも機能停止、公共交通機関もマヒ状態の中、熊本から離れることは厳しいと思われたのですが、友人が車で熊本に来ていて、実家の両親に物資を届けたあと、帰るついでに福岡に乗せて行ってくれるということになり、僕は無事に福岡に来ることが出来ました。渋滞の中5時間の長時間運転で僕を送ってくれた古澤君に感謝します。昨日の熊本では、何度も何度も余震が襲って来て、ただただ怯えるだけで何もすることが出来ませんでした。今も現地で怯えながら避難所の夜を過ごしている被災者の方々のことを思うと、心が痛みます。自分だけ逃げて来たようで申し訳ない気持ちでいっぱいです。一日も早い復旧・復興と、安心して眠れる日々が訪れることを心から祈ります。
琉球新報に記事が載ったみたいで、たくさんの方から心配のメールが来ました。皆さんには本当にご心配をおかけしました。そしてあたたかい支えの声をかけていただきありがとうございました。
深夜1時半頃でしたか、友人の家で僕は、何とか余震も落ち着いて来たねと会話をした、そんな矢先でした。いきなり強い揺れが襲ってきて、携帯のバイブ音が一斉に鳴りだし、食器棚が激しい音を立てて倒れ、すぐに停電になって、暗闇の街中に非常ベルが鳴り響き、ペットの犬たちが吠えまくり、消防車や救急車のサイレンがあちこちで鳴るのが聞こえました。ホテルの部屋に一人きりでいたら発狂していたと思います。友人宅に泊まらせてもらっていたお陰で救われました。近くの小学校のグラウンドにたくさんの人が詰めかけていて、肌寒い中で誰かと会話をするだけで、誰かの会話を聞くだけで、恐怖が和らぐ感じがしました。恐怖心を共有するだけでも本当に救われます。被災地の方々は、一人きりにならないで周りの人たちと一緒にいてほしい、会話をしてほしいと願います。
何も考えられないような混乱の中で、肌身を持って感じさせられたことは、人のもろさと強さの両方です。この先どうなるのか、人間がどうがんばって想像しても、その想像の域を超えるほどの巨大な災害です。そんな場所にいきなり放り出されたら、不安と恐怖以外には何も感じられません。無力です。それでも食料がない、水がないという中で、2個のおにぎりをもらうのに、頻繁に襲ってくる揺れの中、2時間以上も並んでいました。ディスカウントストアの前に並ぶ長蛇の列を見ながら、どうして熊本の方々がこういう目に遭わなければならないのか、情け容赦のない自然災害の脅威に、本当にいたたまれない気持ちになりました。まだ余震は続いています。何とか早くおさまってほしい。そして被災者の方々にはこの大変な状況を耐えて乗り切ってほしいと祈るばかりです。
メールやラインであたたかいお言葉をいただいた皆様、ありがとうございました。何が出来るか分かりませんが、これから自分にできることをやっていきたいと思います。少しでも被災者の方々の力になれればと思っています。
下地 勇